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interview

志事を通して、お客様の心に残る葬儀をプロデュース

近藤 修平
株式会社茶の八 セレモニー天来
代表取締役
葬祭業、お茶販売
茶の八社長インタビュー写真

profile

静岡県出身。高校卒業後、自動車の専門学校、アルバイト生活を経て、父親の会社である株式会社茶の八に就職。仕事の中で葬儀会社の価格設定や喪家への思いに疑問を持ち、他社での修行の後「セレモニー天来」を開業。現在では3つのホールを自社で所有している。価格・品質・人材において地域No.1で在り続ける。柏商工会議所青年部の平成29年度会長。

創業までの軌跡と想い

下請けを続ける危機感から自分たちでやろうと決意

弊社は創業当初、葬儀の仕事ではなく、静岡のお茶を関東に販売するために柏で創業した会社です。お蕎麦屋、お寿司屋、スーパー、役所などいろんな店舗や企業にお茶を卸して、その後、葬儀会社の香典返しや引き出物のお茶も販売するようになりました。ありがたいことに複数の葬儀屋さんと取引できるようになり、その流れでお葬式を手伝うようになりました。毎日のようにお葬式に関わっていると、そのうちに自然と知識が身に付いていき、自社でお葬式ができるようにまでなりました。

しかし、葬儀会社の下請けのため、値段を下げられて、最初は3,000円で卸していたのが1,800円なって、1,600円に下がっていきました。そうするとお茶の質も悪くなってしまう。お寿司屋とか、お蕎麦屋に出してる以上、お茶のレベルは下げたくありませんでした。利幅もどんどん低くなっていったとき、社内で10年後、20年後を考えると先の見通しが立たないとの意見が出るようになり、社内で話し合いが行われることになりました。当時社長だった父親や社員たちで自社で葬儀業を始めれば3,000円で販売できるから美味しいお茶を提供できる。そういった経緯で自社でやろうと葬儀業を始めました。

軌道に乗るまで

一気に20社の取引が無くなることに

自分たちで葬儀を始めてみると、意外とすぐに何軒かお葬式をすることができました。そうしたらなにが起きたかというと取引していた20社の葬儀会社から全部切られることに。「御社が葬儀会社をやるのであれば、お茶の取引が今後できない」と言われました。しかし、これがきっかけで下請けではなく、会社としてしっかりと葬儀会社を成長させていくと決意しました。

経営のことは全然分かりませんでしたが、多くの諸先輩方に助けられました。当時から地元企業の社長とお付き合いが多く、町おこしや地元のお祭りを手伝っているうちに関係性が深まり、柏市の商工会議所に入会することに。そこでいろんな社長さんと出会い、経営学を教えてもらいました。ありがたいことに決算のことや会計のことなど、なんでも教えてくれました。

そうやって、経営のことを学んでいるうちに、知り合いから「北柏の式場をやらない?」というお誘いをいただき、商工会議所全面バックアップのもと、自社の式場をオープンすることになりました。そこでうまくいって、そこから葬儀ホールを現在3つ、系列合わせて4つに増やしていき、今に至ります。

茶の八社長インタビュー写真

事業の今、そして将来へのビジョン

若い人材で同世代コミュニティを作って事業を拡大させる

今、課題に思っていることは、社員の年齢が一つの層に偏ってしまっていることです。葬儀業を発展させるために、身近で信頼できる私の知り合いや友人から集めたところが多いからです。

現在新卒採用を行っていますが、たとえば40~50代が多い輪の中に2,30代の人がぽつんといてもあまり楽しめないのかなと思います。そのため、これから入社してくる社員にはぜひ同世代のコミュニティを作ってほしい。

そして、彼らを育てるには、部下を作ってあげることだと思っていて、今の入社3年目までの社員に一番してあげないといけないことだと思っています。上司や会社から仕事を指示されるよりも、自分たちのコミュニティを作って、どうやったら人を増やせるか、どうやったら仕事を増やせるのか、自分たちで考えながら仕事をしたほうが絶対楽しいと思います。

彼らに楽しい仕事を提供するためにも、今事業を拡大しようと考えており、新しく4つの地域でホールを立ち上げようと思っています。それでずっと土地を探しているんですけど、良い場所があれば今すぐにでもやりたいと思っています。

茶の八社長インタビュー写真

職場環境へのこだわり

働きやすい環境のためのルール作りと自主性の尊重

弊社の強みとしては24時間仕事があることです。子供の成長や各家庭の事情によって、働きたい時間帯だったり、曜日、どれくらい働きたいかは変わってくると思います。一見大変そうだと思われることが多いですが、実際は夜勤や、土日に仕事があることで多様に働くことができるので社員にも好評です。

弊社も昔はそうだったんですが、どうしても勤怠のシフトに関しては、不平や不満が出やすいです。そのため、今までの経験から、ルールをきっちり決めて、不平、不満を解消するような体制づくりも整えました。だれが出勤するのかしっかり理解できるように情報の共有、指示系統を固めて働きやすい環境を整備してきました。

それから、2020年より霊園を経営しているので、社員の次の職場を提供できるようになり「まだ働きたい」という声にも応えることができるようになりました。その瞬間だけでなく、社員の生涯の雇用を作ることが職場環境へのこだわりです。

そして弊社の職場環境は、社員が自分たちで率先して働きやすい環境にしています。社員自らが、出社時間や退社時間を決めたり、ほとんどの社員が会社負担で車を一台保有しています。そのようなシステムも社員が自分たちで考えて、自家用車と社用車の2台持ちよりも、効率がいいと自主的に考えて福利厚生に取り入れるようになりました。

また、プロ野球だったり、マクドナルドもそうですが、ユニフォームや制服がありますよね。私たちは葬儀会社のため、24時間病院から連絡がくる可能性があります。その場合、汚い恰好では行けず、正装が基本となります。そのため、制服としてスーツも全部支給しています。

そのようなルールは、社員が自分たちで決めています。だから社員の定着率がすごく良い。それから引っ越しの補助だったり、戸建てを購入した社員には、自社で取り引きしている銀行に掛け合ったり、社員たちがみんなで楽しく働きやすい環境を作ろうという取り組みが多いです。

茶の八社長インタビュー写真

地域への貢献活動

自分だけ利益を求めない。恩返しも込めて、今度は地元へ貢献する

自社でホールを保有できるようになったのも、やはり商工会議所、青年部のつながりであったり、地元の先輩たちのバックアップあってのものでした。そのため今度は恩返しとして、会社で使う備品や必要なものは、簡単にネットで買わないようにして、仲間の会社に依頼するという方針です。また値引きはせずに定価で取引をするように言ってます。そちらのほうが地域の会社が元気になると思います。

それから弊社のお客様には会員制度があって、会員のみなさんと大型バスで、スカイツリーや明太パークにいくようなイベントを開催しています。それも地域の方との交流にもなりますし、常にどうしたらみなさんが楽しめるのか、社員たちと話し合っています。地域の方との関わりを考えることも私たちの楽しみの一つです。

インタビュー後記

近藤社長の会社や社員さんを想う気持ちとパワーに圧倒されました。優秀な社員を自社に招き、社員に自主的に仕事をするような方針をとっているとのことでしたが、「この人のもとで働きたい」とそう思えるような自信と信頼性があるからこそ、近藤社長のもとには優秀な人材が集まるのかなと感じました。株式会社茶の八様の今後が楽しみです。
株式会社茶の八 セレモニー天来
昭和60年7月9日千葉県柏市で設立。お茶の販売から現在では、葬儀業をメインに事業を拡大。天来北柏ホール、天来家族葬ハウス印西・白井、天来家族葬ハウス柏湘南と3つの自社ホールを保有している。優秀な人材は随時採用を行い、新しい意見を取り入れている。常に時代の変化を先取りし、葬業業界の新たな価値を創造し続けている。

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