創業までの軌跡と想い
協力会社さんと築いた信頼を大切にしたい
建築科のある高校を卒業後、アクアライン建設にも関わっていた、トンネル工事を行うシールド会社の現場監督として勤めました。土木のことを学ぶために就業しながら土木技術者養成訓練高等学校に入学。全寮制でとても厳しい学校でしたが約1年間、必死に勉強して首席で卒業することができました。
それから3年後、ダムのコンクリート会社で品質管理の仕事を10年間勤め、さらにスーパーゼネコンの子会社に工事責任者として転職しました。その後、吸収合併で会社が無くなりましたが、知り合いの会社より声をかけていただき、施工管理、管理職として従事し、計画から積算なども任されるようになりました。分からないことがあれば、徹底的に調べ、一生懸命に勉強をして、相当な経験を築くことができたと思っています。また、長年仕事に関わることで協力会社の様々な方と仲良くなり、懇意にしていただきました。
数年後、退職し20~30社ほどから声をかけていただき、年収も好条件を提示していただけましたが、今までお付き合いしていた協力会社さんとのお付き合いを大切にしたいと思い、それなら自分でやってしまおうと、個人事業主としてこじんまり仕事をする気軽な気持ちで独立を決めました。
軌道に乗るまで
大型案件からのスタートで慌ただしい始まり
立ち上げ当初は細々と仕事をしていこうと思っていたのですが、最初にいただいた仕事が発電所の現場でかなり大きな案件になりました。必要になる経費も個人の通帳というわけにはいかない額なので、すぐに税理士の先生に相談することに。それから急いで法人化の準備を進め、建設業の許可を取ったり従業員を集めたりで、スタートはかなりバタバタすることになりました。
嬉しかったのが、お仕事をいただけたこともそうですが、色んな協力会社さんが最初から信用して仕事を受けていただけたことです。協力会社さんがいなければ私たちだけでは工事ができないですから。
採用のほうも業界未経験の人をメインとして考えていました。経験者だと、どうしてもこだわりがでてしまうからです。なるべく自分が教えて会社と社員を育てたいという想いがありました。
創業してもうすぐ3年。想定していた数字より少しペースは落ちていると感じています。まだまだ私の努力次第で伸びるはず。原因はわかっているので、今後改善していき、さらに軌道に乗せていこうと思います。
将来のビジョン
私の知見をもっと広めて、業界全体の知識を底上げさせたい
今後の展開として、私の知識をもっとオープンにしていこうと考えています。今まで何百件もの図面を見てきました。そのため、お客様との電話だけのやりとりでも、頭の中で図面がイメージできるので、その場で工期や予算感など答えることができます。このような知識はわたしだけが隠し持つものではなくて、オープンにしていくべきです。全国に私の知見を広げて、もっと業界全体の水準を上げるためにも現在開発を進めているところです。
職場環境へのこだわり
壁は作らない。対等な関係でコミュニケーションを図る
職場のこだわりとしては、社員に対して壁を作りたくないという想いがあり、できるだけコミュニケーションを多くとれる環境を作ることです。そのため、社長室はオープンにしています。
社員に対しても社長だからと自分を大きく見せようとも思わないです。フラットな関係で褒めるところは褒めますし、駄目なところはハッキリ駄目だと言います。仕事に関しては平等な関係で考えています。
私は社長になりたくてなったわけではないので、一人の人間として、対等に社員や協力会社さんと関わっていきたいと思っています。
また、退職金も明示しており、休業補償や冠婚葬祭などの支給金もあります。社員だけでなく、社員の家族も安心できる職場を形成していきたいと思っています。
地域、社会への貢献活動
業界を越えて、地域・社会へ貢献
個人の活動として柏商工会議所、柏法人会、千葉県経営者協会に所属しています。柏市の協会に所属することで、地元の人たちと交流を図っています。その中でお仕事に繋がることもあります。
会社としても柏市に対して「なにかできることはないか?」と考えたときに柏市のイベントに出展しようかと考えています。私達の事業は大型の事業なので、どうしても都内での仕事が多い。業界に関わらず、できることはあると思いますので、今後はイベントに積極的に参加して地域の活性化に貢献できたらいいなと思っています。
それから、地盤工学会の会員として、広く地盤工学に係わる技術者の社会的地位の向上のために、技術者の知識の向上を目的とした活動をしています。実際に施工に関して研究や発表を行い、論文を出版しています。