創業までの軌跡と想い
安定よりも挑戦。家族を守る使命感で独立を決意。
美容室で働くことになったきっかけは、高校中退後、父の会社を手伝っていたのですが、閑散期に出稼ぎとして知り合いの美容室でアルバイトを始めたことです。
美容室での仕事を通じて、一人ひとりのお客様に対してカットやデザインをしていく毎日が刺激的で、とてもやりがいを感じ、美容師になろうと決意。美容専門学校通信課程を経て、免許を取得しました。
知り合いの美容室で6年ほど勤務し、大手サロンに転職。歩合制の会社ということもあり、とにかく働きました。その結果、当時の美容師の給料平均をはるかに超える金額を頂いていました。
大手サロンでも6年勤務した後、開業することになるのですが、キャリアを考えたときに大手サロンのフランチャイズオーナーとして独立、または独立開業の2択でしたが、安定と挑戦を天秤にかけたときに「自分の力を試してみたい」という気持ちと、母の体調が悪く「自分がなんとかしないといけない」という使命感で独立開業を決意しました。
創業時の実績
母の死を乗り越えるためにも仕事に全精力を注ぎ込む
創業してからすぐに母が他界してしまいました。初めての身内の死だったので、そのことを忘れるために仕事に没頭しました。とにかく、がむしゃらに働いた記憶があります。ほとんど休みもとらず、夜中まで営業活動をしていました。創業当時は無知でしたが、勢いだけはあり、社員の仲間も私についてきてくれので、赤字に苦しむこともなく、順調に右肩上がりで現在まで経営することができています。
売上目標に対してもスタッフ一人ひとりが生産性高く仕事をしてくれていたので、利益をしっかり出すことができました。その結果、2店舗目の美容室は、1店舗目に比べて3倍以上広い60坪の店舗をオープンできました。
将来のビジョン
寄り道せず、自分が得意なことを突き詰めていく
これからも、自分の本業である美容業をさらに突き詰めて展開していきます。一度、知り合いに誘われてパーソナルジムを経営したのですが、うまく軌道に乗せることはできませんでした。やはり経験と知識を最大限発揮できる美容業で事業を成長させることが自分の使命だと改めて感じました。
そして、今後さらに店舗を増やしていくにあたり、店長育成がまだ追いついていない部分もあるので、今は経営理念を浸透させたり、数字目標を明確にする体制をより強化し、会社としての地盤を固めることが今の最優先事項だと思っています。
採用にも力を入れており、毎年15名ほど新卒の方が入社してくれているので、そのスタッフたちが成長できる仕組みと環境を作り、年商10億円を目指します。
職場環境へのこだわり
より働きやすい環境とスタッフの可能性を広げる
美容業は労働環境に対してグレーなところがあり、労働時間が長く、有給休暇が取りにくい環境でした。今でこそ、業界的にも管理、改善できていますが、私の店舗ではいち早く労働環境の仕組み作りを取り入れ、有給休暇も自由にとれる、研修やミーティングも営業時間内に行い、労働時間も8時間をきっちり守り、働きやすい環境を作ってきました。
それから、社員に対して心がけていることはそれぞれ夢を持って生きているので、その夢を把握するようにしています。その夢を実現するためにどうしたらいいのか?を私なりに考えて、力になれないか考えるようにしています。
社員教育の面で意識していることは、苦手なところに注力するのではなく、各個人の良いところを引き出してあげることが会社としての仕事だと思うので、得意を伸ばして、活躍できるような環境を用意しています。
また、私自身、現場の感覚を忘れないようにするために毎週1回は店舗に行き、カットしています。お客様の声を聴いたり、スタッフと関わったり、トレンドを掴むためにも現場に立っています。
地域、社会への貢献活動
私達にできる役割を果たす
SDGsの面では、使用済みのヘアーカラーチューブを集めて、そこに使われているアルミを車椅子に変えて寄付する活動に参加しています。普段の業務の中から社会へ貢献できることはどんどん取り入れるべきだと思っています。
また知り合いの経営者さんとの繋がりで、児童養護施設にボランティアでヘアカットに行き、力になれることは積極的に行っています。
コロナが始まった年には、店舗で使用するアルコールのストックが大量にあったため、幼稚園や小学校、中学校に寄付しました。当時アルコールがとても手に入りにくい状況だったので、感謝の声をいただきました。今後もなにか自分の身近で助けになれるようなことがあれば、協力していきます。